コインチェックの取引所事業部を紹介します
この記事はコインチェック株式会社(以下、コインチェック)のアドベントカレンダー9日目(シリーズ1)の記事です。
はじめに
こんにちは、取引所事業部でプロダクトマネージャーをやっている岡田です。
所属している会社や組織の名前と肩書(ロール)が伝わると、その人の輪郭がぼんやりと伝わるものの、解像度は依然として粗いまま。特に、組織のあり方は会社によって千差万別ですから、「で、結局のところどういう組織でどういうお仕事をしているんですか?」という情報の解像度はなかなか上がりませんよね。
肩書(ロール)だって組織によってその役割は千差万別と思いますが、本稿では「チームトポロジー」に登場するチームを共通言語として、私が所属する取引所事業部や開発組織の一部をご紹介したいと思います。
「チームトポロジー」ってなに?
2021年12月に刊行された「チームトポロジー」(原著は2019年9月に刊行)は、「ITエンジニア本大賞2023」の特別賞を受賞するなど、プロダクト開発の現場からは一定の気付きや共感があったのではないかと思います。プロダクト開発に携わり、その価値をデリバリーしていくにあたってどのような組織構造が望ましいのか?そこに大きな気づきを与えてくれる良書だと思いますので、ピンときた悩める未読の方にはぜひおすすめしたい書籍です。
「チームトポロジー」そのものを解説するとそれだけでお腹いっぱいになってしまいますので、詳細な説明は書籍そのものや他の方の有益なまとめに委ねつつ、本稿ではあくまでもコインチェックの開発組織のご紹介に主眼を置いて、付随して登場する用語の解説に留めたいと思います。
コインチェックの組織の概要については、アドベントカレンダー1日目で当社大村も記事にしていますので、こちらも併せてお読みいただけると大変嬉しいです。
Coincheckの販売所と取引所
Coincheckでの暗号資産お取引、というと、Coincheckアプリのご利用を真っ先に連想いただく方が圧倒的多数だと思います。かく言う私も自分がコインチェックに入社するまではその一人でした。
Coincheckが提供する暗号資産のお取引環境には種類があり、混同されやすいのがCoincheck販売所とCoincheck取引所です。Coincheck販売所は当社がお客様の相手方となって売買を行う店頭取引のお取引環境で、Coincheckアプリでのお取引はこのCoincheck販売所でのお取引となります。
一方のCoincheck取引所では、その名の通り取引所取引のお取引環境を提供します。Coincheck取引所にご参加いただくお客様からの注文をまとめ、「価格優先」「時間優先」の優先順位に従って売買を成立させていきます。より多くのご注文をお受けするために、Webブラウザ経由でのお取引環境に加え、API経由でのお取引環境も提供しています。私が所属する取引所事業部は、このCoincheck取引所運営の全般を担っています。
Coincheck販売所とCoincheck取引所、異なる2つのお取引環境を提供するための仕組みも異なるであろうこと、それぞれを運用する組織も異なるであろうこと、こういったことをご想像いただけたのではないでしょうか。
私が所属する取引所事業部
取引所事業部は、Coincheck取引所をグロースさせるための取り組みをストリームに据えたストリームアラインドチームとなっています。ここでようやくチームトポロジーで定義された4つのチームのうちのひとつ、ストリームアラインドチームが登場しました。ストリームとは、「ビジネスドメインや組織の能力に沿った仕事の継続的な流れ」を指します。
取引所事業部がストリームに据えたCoincheck取引所をグロースさせるための取り組みは、Webブラウザのお取引環境(TradeView)の改善や機能追加、Coincheck取引所への新たな通貨の上場、Coincheck取引所がもっと公正なお取引環境となるよう、取引所へのルール整備等々、多岐に及びます。
これらを実現して高頻度で継続的にお客様にバリューを提供するため、取引所事業部は職能横断的な組織、いわゆるフィーチャーチームとなっています。下表は取引所事業部を構成する要員の内訳ですが、役割の説明はあくまでも取引所事業部での定義であって、教科書的な記述からは逸脱する点があることをご了承ください。
一般的に金融事業会社では、業務に求められる専門性やシステムリスク管理態勢を組織面に実装した結果として、職能別組織となっていることが多いように感じられます。これは何のデータに基づくものでもなく、あくまでも私の経験に基づいた主観でしかないのですが、これまで私が経験した他の金融事業会社(証券、銀行等)ではいずれも職能別組織で構成されており、いわゆる「システム部」と呼ばれるような組織の枠組みの中でプロダクト開発に携わってきました。プロダクト開発に専念しやすいという点で、コインチェックの組織構造の方が私の肌には合っている、と実感しています。もちろん、これも私の主観的な意見です。
取引所事業部と周辺組織の関係性
Coincheck取引所は、コインチェックが運営する事業のごくごく一部に過ぎません。複雑性が高く、また全社で共通して取り組んだ方が良いことなどは、独立した組織で専門的に開発、運用されています。以下に、「チームトポロジー」に基づいてチーム間のリレーションの一部をかんたんに図示したいと思います。
下表は、図に登場した「チームトポロジー」の4つのチームについて、当社での事例を交えて説明するものです。
本稿は私が所属する取引所事業部を中心にコインチェックの開発組織についてご紹介させていただきましたが、販売所事業部長の当社大村が販売所事業部の紹介記事を書いていますので、こちらもぜひ併せてご覧ください。
おわりに
あらためまして、取引所事業部でプロダクトマネージャーをやっている岡田です。
ここまでお読みいただけた方には、私の自己紹介の解像度も多少上がったのではないでしょうか。端的に人に伝える、って難しいですね!
そんな取引所事業部では現在エンジニアを募集しております。こちらの記事では募集の背景などもお話しておりますので、ご興味をお持ちいただけた「我こそは!」と思っていただけた方、ぜひともお気軽にご連絡ください!!
引き続きコインチェックのアドベントカレンダーでお楽しみいただけると幸いです。