コインチェックの考える「ウェルビーイング」とは?ウェルビーイング・DEI・SDGsにテクノロジーカンパニーはどう立ち向かうか
コインチェックは、ウェルビーイング経営の実践、およびダイバーシティ&エクイティ&インクルージョン(以下、DEI)推進を目指しています。2022年12月にウェルビーイング室を新設し、健やかな働き方と多様性の受容の実現を推進しています。同月22日に制定した「DEIポリシー」では、私たちコインチェックが目指す姿を具体的に示しています。今回はこの取り組みを進めるウェルビーイング室の奥野さん(@miyan_cc)と浜田さんに、PR担当の江本がインタビューしていきます。
■プロフィール
ウェルビーイングとは、心身ともに健やかで自分らしさを自分で認められること
ーー奥野さん、浜田さん、今日はよろしくお願いします!コインチェックに関するお話をお伺いする前に、まずは最近よく耳にする「ウェルビーイング」について教えてください!
奥野:ウェルビーイングとは「身体的・精神的・社会的に満たされた状態」を示す広義での「幸福」を指す概念として、1946年のWHO設立の際に考案されました。価値観や情勢が目まぐるしく変化し、人生の豊かさや個性が尊重される現代においては、ビジネスの現場でもその重要性が高まりつつあります。また、ウェルビーイングには5つの要素があり、次のような側面があるとされています。
キャリアウェルビーイング:仕事のみならず、育児や家庭などプライベートまでサポート
ソーシャルウェルビーイング:同僚や上司など職場の人間関係をサポート
フィナンシャルウェルビーイング:報酬や資産管理などをサポート
フィジカルウェルビーイング:仕事のモチベーションに関わる、心身の健康やポジティブな思考の維持をサポート
コミュニティウェルビーイング:会社への帰属意識の充実を目指す
自分だけでなく周囲の人々が幸福であること、日々の些細な幸福を大切にすることなどに加えて、多様性が尊重される現代においては個性を重んじたウェルビーイングも大切であると考えています。「自分らしさ」を自分で認められることが「well-being:よく在る」につながるのではないでしょうか。
自分の長所を活かして仕事に取り組み、やりがいや達成感を得たり、メンバーと協力して仕事をすることでサポーティブな自分に気づけたり、他者から感謝や称賛の気持ちを得たりすることで、自己を肯定する気持ちが芽生え「自分を大切にできる」と考えています。私たちウェルビーイング室は、ワークの側面だけでなくライフの側面も踏まえた、それぞれの人が持つ「現状と理想とのギャップ」を埋めることを制度や施策、カルチャー醸成によってサポートすることが大切であると考えています。
浜田:僕にとっての「ウェルビーイング」は原体験に基づくのですが、心身ともに健やかに働けること、心理的安全性が保たれていることの2点が重要だと考えています。1点目は、前職で職場関係のトラブルを経験したことから、会社における従業員の心身の健康をサポートすることの大切さを感じました。2点目は、海外での生活を通じて「人種・性別に関する差別」に触れる機会があり、多様性を尊重するなど個々人の心理的安全性が保たれることの重要性を強く意識するようになりました。
ーーおふたりそれぞれの「ウェルビーイング」に対するお考えが聞けてとても興味深いです。それでは、続いてコインチェックでウェルビーイング室を立ち上げた背景や取り組みについて教えていただけますか?
奥野:私はコインチェックに1人目の労務担当として入社したのですが、最近眠れないという問題を抱えているメンバーの様子をヒアリングしてほしいという相談を受け、メンバーの心を守る使命を感じました。メンバーが健やかに仕事に取り組める環境を作ることは、結果的にコインチェックの企業としての使命を実現することにも繋がるため、組織全体として取り組む必要性があると感じウェルビーイング室の設立を提案しました。
コインチェックは「人に価値を見出し社員を守る」こと、「個人と社会、ひいては世界全体が満たされた状態を目指す」ことを大切にしていく
ーーありがとうございます!もう少し詳しいお話をお伺いできればと思うのですが、コインチェックにおけるこれまでの「ウェルビーイング」に関する取り組みについて教えてください。
奥野:2021年はウェルビーイングの取り組みの「スタートの年」でした。取り組みを始めて見ると、コインチェックではすでに荒削りながらも「ウェルビーイングの土台」が整っていることに気付きました。そのため、現状の課題を解決するというよりはむしろ、これから起こりうるであろう課題を「先回りして解決すること」を目指しました。
具体的には下記の取り組みを実施しました。
定年を60歳から65歳に延長
看護介護休暇の有給化
生理休暇や不妊治療に関連する休暇の有給化
育児や介護と仕事を両立しているおよび病気で治療しているメンバーに対する、短時間勤務での正社員雇用制度の導入
結果として同年は、ホワイト財団主催の「ホワイト企業アワード」を上期・下期ともに受賞することができました。また社員の方々のフィジカルケアを手厚くするため、産業カウンセラーの資格を10ヶ月かけて取得し、社内カウンセリングをスタートしました。
2022年は「健康経営優良法人の認定」を意識して活動しました。背景には「社内が健やかに働ける環境を整えること」で社員のみなさんの心理的安全性を担保すること、コインチェックがその観点を重視していることを証明し、社内外問わず会社としての信頼性を高めたいという思いがありました。
一朝一夕で得られる認定ではなかったのですが、2021年から徐々に取り組みを重ね長期的な視点で取り組むことで、2023年に認定を受けることができました。
浜田:同年には「DEIポリシー」も策定しました。DEI推進についても健康経営優良企業の際と同様に、クリアなメッセージを発信することで、社内外からの認識を高めたいと考えました。近年ウェルビーイングやDEIがバズワードに選定されるなど、環境や福祉の分野問わず、投資家をはじめとするビジネスの文脈でも注目度が高まったことも、今回の取り組みを進める上で追い風になりました。
コインチェックは「DEIポリシー」策定により下記を担保し、多様なバックグラウンドや個性を持つ人材のモチベーションを高め、企業価値向上と持続的成長を可能にする企業文化の醸成を目指しています。
ダイバーシティ=個性の価値の受容
エクイティ=同じ志を持つ相互信頼による安心感
インクルージョン=個性を活かし合う機会提供
ウェルビーイングの観点では、SDGs・ESG・DEIといったスコープの異なる様々なワードがあります。コインチェックでは、人に価値を見出し社員を守る人的資本経営の視点と、個人のみならず個人と社会、ひいては世界全体が満たされた状態を目指すといった視点の両面からウェルビーイングを定義することを心掛けています。
むやみに変化を求めすぎず、今ある「コインチェックらしさ」を大切に
ーーありがとうございます!最後に、ウェルビーイング室の今後の展望について教えてください。
奥野:たくさんのメンバーをコインチェックに迎えていく中で、お互いの価値を認め合い多様な価値観を受容できる土台を作っていきたいと思っています。コインチェックのカルチャーで私がいいなと思っているのは、社員皆それぞれが得意なことを活かして仕事をするだけでなく、苦手な部分をメンバー同士で補完しあいながらチームを醸成していることです。個性の中には、自分にとってポジティブなことだけではありません。苦手や弱みといった側面も一人の自分として受け入れられる自分づくりを、コインチェックという場所でしてもらいたいと思っています。
また、社員のフィジカル・メンタルケアは引き続き力を入れていきたいです。具体的には予防医療のコンセプトと同様に、悪い部分を見つけたから取り組むのではなく、先回りして予防することを大切にしていきたいです。多様性を尊重し社員が心身ともに健やかに働ける状態を保つことは、コインチェックのクリエイティビティーの向上にも繋がると考えています。
浜田:新しくコインチェックに参画したメンバーから、「職場の人々・雰囲気が良かったことが入社の決め手になった」という声をよく聞きます。非常に嬉しく感じると同時に、そのような良い部分をしっかりと維持し続けたいと考えています。現状に甘んじないことは大切ですが、むやみに変化を求め過ぎない、今ある「らしさ」を大切にすることも重要だと思います。
奥野さん、浜田さん、ありがとうございました!コインチェックの目指す「ウェルビーイング」について、noteを読んでいただいている方に伝われば嬉しいです。コインチェックは、ウェルビーイングについてまだまだこれから取り組みを進めていくフェーズではありますが、おふたりが中心となって「生きること、働くこと」をより良く変えるきっかけを提供し続けてもらえたらと思います。
◆コインチェックで働く上で大切にしている価値観「MOST」