入社エントリー:トークン経済があらゆる産業に浸透していく”web3”という異世界に転生した話。
はじめに:
2022年11月1日付でコインチェックに入社した井坂です。現在は執行役員として主に暗号資産事業(販売所/取引所)を管掌しています。就任してから外部環境変化や社内体制の整備含めて怒涛のイベント続きで、このタイミングで今更ながらの入社エントリーになってしまいました。
また、これまで採用広報担当の都丸さん(@shoheitomaru)からずっと「入社エントリー書いてください!」と急かされ続けてきたのを、何かと理由をつけて上手くスルーしていましたが(個人的な性格として外部メディアに出るのは苦手なのもあり)、先日の広報ミーティング中に都丸さんから「今の競争環境と当社の状況を踏まえると、入社エントリーはこういった打ち出し方が望ましいのでは?」という感じで、編集者というかプロデューサーというか、データによる見事なまでの論理武装とストーリーテリングを持った執筆提案をもらいまして、(元々長くプロデューサー業をしていた私としては)これにいたく心を揺さぶられてしまいました。「これは書かざるを得ない・・・。」という流れもあり、やっとのことで入社エントリーを書くことになりました。
※なお様々な便宜上”web3”というワードを多用していますが、コインチェック社内では”web3”という大きいワードはあまり用いることのないよう心掛けています。
自己紹介:ゲームプロデューサー兼CEOから大学院生主夫まで
大学卒業後、GMOインターネットグループの現アドパートナーズで広告営業的なことを経験し、IPO前で組織規模は50人以下だったスタートアップ期のグリー社へ入社。そこから数千人のメガベンチャーとして急成長・急降下・再構築・再成長するまでの14年間ほどを長く、濃く、楽しく過ごしました。
成長フェーズごとで色々愉快な物語がたくさんあるのですが(語り出すととっても長くなるため割愛)、辞める直前は上級執行役員として主力ゲーム事業の本部長・WFS社というグループ子会社CEOという立ち位置で数百名規模のエンジニア含むクリエイターマネジメントとゲームプロデュースを行っていました。
退職後はキャリアの次シーズンを始める前にこれまでのジェットコースターx3回転半のような事業会社経験を一度振り返りたかった事もあり、大学院生として約1年半ほど学業を中心に主夫として子供たちの成長も見守りながら過ごしていました。
なぜコインチェックに入社したのか?:時代の潮流と不確実性を楽しむ
大学院ではこれまで経験してきた様々なことを改めて体系的に学び直すことができました。当時、生き残るために必死でやってきたものを一歩引いて俯瞰し、冷静に振り返れたのはとても良い学びでした。中でも数多く受けたファイナンス関連の講義は印象深く、今更ながら我が国におけるビジネス上の大きなゲームルールである資本主義や株式会社の仕組み、金融やお金の流れ、通貨の成り立ちについて、実体験と照らし合わせつつ深く考えることができました。
元々は今でいうBCGやNFT、テクノロジーやマーケティング手法の一つという文脈でクリプト界を横目で見ていましたが、ファイナンスを学ぶことで通貨や人を動かすトークン経済、DAOや国家という仕組みについても自然とアンテナが高まるようになりました。
ぼちぼち卒業が見えてくる中で、そろそろ社会復帰を考えようかなと思い、知人やVC経由の紹介などを通じて心赴くまま色々な業界(スタートアップ〜大企業まで)の話を聞きに行き、様々な選択肢や視点から自身の内なる声と対話を続けていました。幸いなことに数多くの企業からお声がけを頂き、その中には高い経営力や独自技術を持つ将来有望なスタートアップも数多くありました。(大変ありがとうございました)
その上で、最終的な自身の判断軸としては”最も先が想像できない、これまでとは異なる未知の世界観やルートを選ぼう”と思い、コインチェックに参画することにしました。IT・ゲーム/エンターテインメント業界から→クリプト/金融業界という異世界転生ルートです。
※余談ですが、就任約1週間後にFTX事変が起き取引高世界2位の取引所が一瞬で破綻。もはや個社を超えてクリプト界は激動の時代に入ってしまいました。破綻の要因自体は業界というよりそもそものガバナンス問題だと思いますが、私の選択は間違ってなかった(本当に先が想像できなかったw)、判断軸どおりで良かった!ということが確信できた外部環境イベントでした。
入社してみて実際どうだったか?:健全な起業家精神をもった多様な個の集合体
コインチェックには創業経験者や様々な業界のCXO経験者がいることも興味深いところです。和田さん(@wadakooo)、大塚さん(@yusuke_56)はもちろんのこと、マネックス創業者である松本さん(@okimatsumoto)、PKSHA Technology創業メンバーの山田さん(@naofumi0628)、日本CTO協会の代表で元MIXI CTOの松岡さん(@matsutakegohan1)、同じく元MIXI CTOのニールさん(@nealsato)などなど、IT、金融、エンターテインメント、AI・・・etc。これからブロックチェーンを活用したトークン経済圏があらゆる産業に浸透していく中で、産業の壁を超えた新しい何かが生まれそうな気配と、そのために必要な多様な個を受け入れる土壌がある企業だと感じました。
ただ、入社してまず感じたことは良くも悪くもまだまだベンチャー感があるということ。未知の事業領域も多いので一定の探索は必要ですが、既に200名を超える規模になってきているため、組織フェーズとしては今後のDe-SPACによるNASDAQ上場も見据えて、より高みを目指していかなければならないなと感じています。クリプトに対する熱い想いを持った若く優秀メンバーから専門知識が豊富な金融のプロフェッショナルも多く、ブロックチェーン的なワードであえて書くとこれらのインターオペラビリティ(相互運用性)を高めていくことがこれから組織力を強化する中で重要になってくると思います。
※入社したのでとりあえずご飯奢ってくださいよ!と無理やり誘ったらちゃんと来てくれた創業者の和田さん(手前右)。異業種から転生したばかりの私に一切躊躇せず丸っと業務を引き継いでくれた大塚さん(左奥)。ただ家が近いという流れでその場で呼び出された常務執行役員の竹さん(左手前)は、いち企業の垣根を超えて税制を中心とした”web3”に関連する国家のルールメイキングにも関わる熱い漢です。
ゲーム・エンターテインメント業界への感謝と今後の関わり
夢中で駆け抜けたキャリアでもあったので、その経験が一体何だったのか、言語化するのに時間を要したのですが、大学院での学びと出会いを経て、ゼロから世界観を創り出し、ゲームとして形にするということや、エンターテインメントコンテンツを世間にプロデュースするということは、これから先の時代あらゆる業界で求められる事業スキルだと感じるようになりました。不確実な時代だからこそ自分自身で潮流を読み、それに対して上手くハマるコンセプトを立案し、業界や職種を越えて多様な個と共にまだ見ぬものを具現化していくというプロセスは非常に希少価値が高い経験だと思っています。
手前味噌ではありますが、前職WFS社には才能溢れる多くのクリエイターやエンジニア、若く優秀な経営メンバーが所属しており、皆と共にWFSという日本のモバイルゲーム業界を代表するテクノロジー × クリエイティブカンパニーを創れたことは非常に楽しい経験でした。この場を借りつつ全ての関係者に改めて御礼申し上げます。
今後は”web3”や”ブロックチェーンゲーム”や”NFT”という文脈はもちろんのこと、お世話になったゲーム・エンターテインメント業界に対しても、表に出ることはなかなかないですが、何らかの形で引き続き貢献していきたいと考えています。
さいごに:”web3”という未知の領域を共に切り拓いていけるエンジニアを積極採用中
この領域にはかつてインターネットの誕生がそうであったように、まだまだ多くの新しい機会があります。私たちは十数年前に生まれた、ブロックチェーン技術及び文脈を活用し、新しい価値交換を中心とした様々な事業やプロダクトを創り社会実装していく会社です。
外から”web3”という業界を見ていたときと、中に入って得られる情報量の多さや早さは圧倒的に異なりました。新しい産業ということもあり、規制変化の状況を含めて内部に入らないとわからないことが多々あります。そんな中でコインチェックには業界No.1の顧客基盤やルールメイキング力があり、プロダクトを通じた価値提供はもちろん、社会に対して新しい価値を生み出せる可能性を秘めていると思います。
私もそうですが、異世界(異業種)から転生してきたエンジニアなども多く、興味や想いさえあればキャッチアップしていけると思いますので、カジュアル面談含めてぜひ気軽にご連絡いただければと思います。どうぞよろしくお願いします!