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コインチェック創業者と執行役員に聞く、暗号資産エンジニア採用強化の裏側

コインチェックは、エンジニアが起業したエンジニアファーストの会社。マネックスグループの子会社となり経営体制が変更になった今でも、そのカルチャーはしっかりと引き継がれています。

暗号資産取引アプリのダウンロード数、取り扱い通貨数共に国内No.1という実績を持つコインチェック。

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コインチェックは、なぜエンジニアファーストにこだわるのか。それは、手を動かして作る人がいてこそのソフトウェアの世界では、エンジニアが事業を主導していく存在になるから。

本記事では、コインチェックを創業した和田さんとプロダクト開発運用部長の飯田さんを招き、対談形式で組織作り暗号資産エンジニアの働き方採用強化の裏側を熱く語ってもらいました。

これからのコインチェックが目指していくもの、開発において意識していることなど、気になるアレコレをお届けします。

【Profile】
和田 晃一良(わだ こういちろう 写真左)
取締役副社長 執行役員。2012年8月、大学在学中にレジュプレス株式会社(2017年4月にコインチェック株式会社に社名変更)を創業。2019年11月より取締役 副社長執行役員に就任。
飯田 直規(いいだ なおき 写真右)
執行役員・プロダクト開発運用部長。2017年コインチェックにジョイン。バックエンド開発部長を務め、2021年1月より執行役員に就任。

目標は100人!コインチェックが採用を強化する理由

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ーーエンジニア採用を強化している背景や採用目標を教えていただけますか?

和田:そうですね……半年で100人くらいの勢いで採用強化していきたいです。今突拍子もない発言をしていますが(笑)。今の事業環境だったらそれくらいリスクをとってもいいんじゃないかなと思っています。

ここ数ヶ月、暗号資産市場は非常に盛り上がってきています。ビットコインの価格は2017年頃と比較すると6倍以上2021年に入ってからも1.5倍伸び、ユーザー登録者数も数ヶ月前と比べてかなりの伸びを見せています。DeFiNFTが出てきたことで、これから更に暗号資産市場は成長していくと思っています。

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出典:coinmarketcap

和田:ただ、サービスは伸びているのですが、開発の人的リソースはあまり変わっていない。

新規の暗号資産の取り扱いや取引所機能の強化、NFTに関するプロジェクトなど、やるべきこと・やりたいことが数多くある中で、現状は人的リソース不足でそれができていない状況。そこをどうにかしていくために採用に注力しています。

暗号資産はソフトウェアの世界です。プロモーションや戦略だけ考えても手を動かして作る人がいないと始まりません。そういった世界だからこそ、エンジニアが事業を主導していく存在になると思っています。だからこそコインチェックは『エンジニア主体の組織』にしたいと考えているんですよね。

暗号資産業界はエンジニアに注目してもらいたい成長産業

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ーー採用強化の背景に市場の盛り上がりが大きく関係しているとのことですが、今後の市場についてはどのようにお考えでしょうか?

和田:海外にバイナンスという取引所があるんですけど、ここは2020年4月時点で従業員数が1,000人程居るんです(※)。エンジニアの比率がどの程度かはわかりませんが、少なく見積もっても何百人は居ると思うんですよね。
(※)参考:暗号資産取引所バイナンス、3年で従業員数2000%増

上場予定のあるコインベースは半年前で従業員数が1,200人程度。2020年の純売上高が約1,210億円で前年から倍以上増加しています。時価総額は10兆円規模(※)とも言われているんですよ。
(※)参考:米仮想通貨交換Coinbase、売上高2倍 時価総額10兆円も

コインチェックは、非正規も含めて従業員数が200人強、エンジニアは50人程度。人的リソースに5倍くらい差があるんです。売上規模でいうと昨年度実績は年間で38億円程度です。国内の暗号資産市場は海外に比べると少し遅れている状況で、グローバルに追いついていくためにも、人的リソースが重要なポイントになると思っています。

コインベースの時価総額10兆円って、日本だと7番目くらいに大きい会社なんですよ。ビットコインが生まれたのは2009年。そこから始まった企業が、そんな規模の会社に成長するって、とんでもない話ですよね(笑)。

つまり、それだけの規模に成長するチャンスがコインチェックにもあるということです。そんな分野は他になかなか無いと思うので、エンジニアがチャレンジするべき業界であると考えています。

飯田:既存の証券会社の口座数と比べてもまだまだ伸び代がありますね。

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*1:日本証券業協会資料より記載(2020年9月末時点)
*2:矢野経済研究所資料より推定(2020年3月末時点)
*3:JVCEA統計資料より想定(2020年12月末時点)

飯田:僕もエンジニアにとって『成長度合いの大きい市場環境にいること』は、すごく大事だと思うんですよ。

データのトラフィックや扱うデータ量的にスキルが必要になってくるし、負荷の課題もある。ユーザー数が多いほどやりがいがあります。そういった市場に身を置くことは、エンジニアとしての成長に大きくつながると思いますね。


ーーお二人が気になっている新しい技術や挑戦したい分野はありますか?

飯田:NFTDeFiの情報は見るようにしています。

和田:僕もDeFiは見てますね。まだまだ知らない人も多いですが、とても成長している分野だなと思っています。技術的な分野に明るくないと使いにくい部分もありますし、そもそも日本語の情報も少ないので敷居が高いんですけど、世界的に見ると利用している人って多いんです。

DeFiの預かり資産は390億ドル(約4兆円)といわれていて、昨年は12億ドル程度だったので、かなりの急成長をしているんですよね。(※)
(※)参考:米ビットワイズ、DeFiインデックスファンドを開始

ここまで急成長していてもまだまだ一部にしか使われていない状況なので、より多くの人に使われたらとてつもないことになります。個人的にはこの分野にチャレンジできたら面白いなと思っています。

暗号資産エンジニアは、何もない状況からの開発が必要

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ーー先ほどデータのトラフィックや負荷のお話が出ましたが、暗号資産エンジニアならではのエピソードとかってありますか?

飯田:想定外のことが起きやすいので、常に考えることが多いですね(笑)。金融サービスなので法令遵守、データ負荷などを気にしつつ開発しないといけない。システム監査で厳しくしようと思えばできるんですけど、ある程度Web的な開発スピードを活かしながら規定を作っているので、そのバランスも難しいですね。

和田:最初はユーザー数1万人くらいの想定で作っていたのに、気付いたらユーザー数が10倍、100倍規模になっていて、そこで新たな課題が出てくるというのはありますね。

かといって、最初から10万、100万の規模を想定して設計するのは難しいですし、時間の無駄にもなってしまいます。常に考えながら改善していくことが必要になってきますね。

暗号資産のエンジニアは、予め要件定義を定めてから開発を進めるわけではないんです。その都度見直して、何が最適なのかを考えることを繰り返す。そういった点は面白いですよね。

飯田:暗号資産の入出金周りを担当しているチームだと、新しい通貨を上場させると新たな課題が起きることが多いんです。その都度対応が必要だったり、もっとこうしたら効率がいいんじゃないか、と改善したり。常に変化していますね。

ーー自身が開発で気をつけていることはありますか?

和田:金融サービスなので、何か失敗するとかなり大きい影響が出るんですよね。なるべく失敗しないことはもちろん大事なんですが、100%失敗しないというのは難しいので、失敗したときにも大丈夫な仕組みを設計するのが大事だと思ってます。

注目はセキュリティに強いエンジニア

ーー現在のエンジニア組織はどのような編成なのでしょうか?

飯田:エンジニア組織の規模でいうと、僕が見ているプロダクト開発運用部が8グループ、他にSRE、CSE、システム企画と合わせて全11グループ、人数でいうと50人程度の組織ですね。


どのグループも採用強化しています。直近でいうと全社的に取引所機能をしっかり提供していこうという話が出ているので、トレーディング開発グループは特に力を入れていますね。

あとは会社全体を技術的な観点で見られるテックリード的な人も必要だなと思っています。取引所・販売所以外のサービスでも、NFTやフロントエンド、バックエンドのアーキテクチャリプレイスや実装方針など、いろんなことを進めているんです。このあたりを全体的に見られる人が欲しいなという感じですね。

ーーそもそも暗号資産のエンジニアって、どんな人が向いているのでしょう?

飯田:コインチェックだといろんなタイプの人がいますが、共通してるのは自分で考えて動ける人ですね。暗号資産に興味がある人、自分で考えてゴールから逆算して動ける人が多いと思います。

和田:ジェネラルにいろんなことに対応できる人もいれば、一個の技術に特化している人もいます。個人的にはセキュリティに興味があったり、詳しくなりたい、やってみたいという人に来てもらいたいですね。

ーーなぜセキュリティなんでしょうか?

和田:なかなか渋い分野だと思うんですけど、セキュリティ分野はこれからすごく重要になってくると思っていて。

いろんなものがインターネットでサービス化していくので、重要な情報も扱うようになっていきます。セキュリティに関する社会からの要請も、とてもレベルが高いものになってきているんですよね。そこに応えられる人はこれからの人材価値も上昇していきます。暗号資産のエンジニアに限らず、セキュリティに詳しい人は重要な立場になっていくと思いますよ。

じゃあセキュリティってどこで学べるの?という話なんですけど、セキュリティの会社で働くか、コインチェックのような事業会社で働くかの2つになってくると思います。

ーー詳しく解説して欲しいです!

和田:一般的にユーザー数の多いサービスを持つ企業はハッカーから狙われやすい傾向にありますが、コインチェックも日々攻撃を受けています。その攻撃に対策を立てて対応していくので、自らの知識を武器に実務経験を積むことができるので面白いと思いますね。

ユーザーの資産を預かるため、Webサービスの会社よりも求められるセキュリティレベルは高い方ですし、社内には詳しい人も多くいるのでキャッチアップできるものも多い。

暗号資産に詳しいエンジニアが多いのも特徴ですね。今までなかった分野の開発なので、これからの時代に重宝されるジャンルだと思います。毎日のように新しいツールやアップデートがあって、技術的なパラダイムシフトが起こっているので、何かの分野に詳しくなって専門性を身に付けたい!という人にとってはいい環境だと思います。

エンジニアとしてのキャリアは、成長業界と活躍できる環境に注目を

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ーー他にもエンジニアの働き方についての考えなどあれば教えて欲しいです。

和田:エンジニアとして働くなら2つおすすめしたい観点がありますね。成長している業界であること、活躍できる環境があること。個人的な意見ですが、この2つを兼ね備えているところがいいんじゃないかと思っています。

活躍できる環境は当然として、成長している業界だと新たな事業にも挑戦できるし、今までになかった課題も出てきます。定常業務以外にも、いろんなものが発生するんですよね。

会社自体も成長しているところが多いので、いろんなメンバーが入ってきて刺激が得られたり切磋琢磨できたり、『成長している市場や環境は個人の成長にも大きく影響する』と思うんですよ。

その中で自分が活躍できる環境を見つけて欲しいなと思うんですけど、そんなに多くあるわけじゃないと思っていて。

ーー市場が変わったということでしょうか?

和田:2000年〜2013年頃はインターネットのサービスがたくさん出てきて活躍できる場がいっぱいあったんですけど、今はその波も一旦終わって、市場自体が複雑化しています。

「会計×IT」などが分かりやすいですが、インターネットのソフトウェアだけで勝てる市場が少なくなって、何らかの専門性やビジネスにおけるエッジがきいたポイントが必要になってくるんですよね。

ただ、会計ソフトだと専門性が高すぎてエンジニアが新しく事業を考えたりリードしていくのは難しい。

その点、コインチェックは金融的な部分はありますがソフトウェアだけで動いているので、エンジニア主導でいろんなものを作ったり意思決定をしていくことができます。エンジニアが活躍できる場が多いと思うのはこういった点ですね。

飯田:インターネットが成熟してきてクロステック的なものが出てきた時って、基本的にPMやディレクターがいるんですけど、コインチェックには居ないんですよ。スピード感があるのはこの辺が背景な気もしますね。

僕は2017年にDMMから転職しているんですけど、次はどの業界が伸びそうかな、というのをいろいろ調べてたどり着いたのがコインチェックだったんです。

NFTなどの暗号資産から派生した事業もできそうだし、DeFiなどの新しい事業にもどんどん挑戦できますし、エンジニアとしてこの領域に挑戦するのもかなりありだなと思いますね。

一緒に働きたい人材は、スペシャリストとジェネラリスト

ーー和田さん、飯田さんが一緒に働きたいと思う人はどんな人ですか?

飯田:暗号資産に興味があって課題を自分で解決していける人、成長している業界で経験値を積みたい人ですかね。

和田:ジェネラリストとスペシャリスト。スペシャリストは暗号資産の技術、セキュリティ、インフラ周りの3つですね。特にセキュリティは先ほどもお話しした通り、アクセス負荷が多くて大変なので。技術的なチャレンジもできますし、スペシャリストは必要だと思っています。

コインチェックは情報セキュリティ事故対応アワード2020を受賞しているんですけど、ここに出てくる喜屋武さんはまさにスペシャリストだなと思います。

ジェネラリストに関しては、いろんなところに素早く動けて自分の頭で考えられる人が望ましいですね。新しい業界で新しいことがどんどん起こるので、その変化に追いついて、新しいことを吸収してチャレンジできる人がいればいいなと思います。

オープンかつ正直な組織作りを目指す

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ーーNFTなどの新しい事業のお話もありましたが、事業を拡大していくにあたってどんな組織作りをしていきたいなどはありますか?

飯田:NFTでいうと、これから新たにチームを立ち上げる段階です。組織作りのお話をすると、僕が見ているプロダクト開発運用部は、「チームや個人が自律的に課題を解決し、事業・プロダクトの成長に貢献する」という組織ミッションがあります。

人が増えて組織をスケールしていくために、このミッションに向けて動いていけるというのが重要なポイントですね。

ーー組織のコミュニケーションとかはどうされてますか?

飯田:Slackでのオープンなコミュニケーションは意識していますね。DM率は低く、オープンな場で話すようにしています。あとは正直に話すことですね。事業部長が全ての問題を解決できるわけではないので、無理なものは無理って言います(笑)。

和田:正直は大事ですね。嘘があると無駄なコストがかかってしまいますし、『しがらみのない分かりやすい組織作り』は重要だと思います。

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ーーその辺りはコインチェックならではのカルチャーという感じですね!入社後のメンバーのフォローなどはどうですか?

飯田:程度によって対応も変わるんですけど、入社後のフォローでいうとグループリーダーとの定期的な1on1などは設けてますね。チームメンバーとフラットに話せる場も作ってますし、情報や知識をキャッチアップしていける環境は準備できていると思います。

ーー知識やスキルレベルってどれくらい求められるんでしょう?

飯田:暗号資産の知識は必須ではなく、興味があれば大丈夫です。必要なスキルは各グループによるので、採用ページ見てもらえると。


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