予測不能の分野を突き進むコインチェック。自ら企画しサービスを作れる“ブロックチェーン”の世界の面白さとは(前編)
こんにちは、コインチェック採用グループです。本日は、コインチェックのVPoEのニールさんと執行役員・プロダクト開発運用部長の飯田さんの1on1の様子をお届けします。お二人が今回向き合ったのは、「コインチェックのエンジニアが全然足りない!」という大きな課題。エンジニア採用を加速させているコインチェックの現在の課題と、暗号資産・ブロックチェーン業界の面白さについて語っていただきました。
「やりたいことに対してエンジニアが足りない問題」に向き合う
ニールさん
「コインチェックでは今やりたいことがたくさんあるんですが、全然エンジニアが足りていないんですよね……」
飯田さん
「やらなきゃいけないこともたくさんあるんですよね。NFTやIEOなど暗号資産の取引以外の市場もどんどん拡張しています。その中でプロダクトを改善したり、新規事業のリソースを確保したり、法令要件の対応をしたり、技術負債を解消したり……やりたいんだけどエンジニアが不足していて優先度の問題でできてないことが膨大にあるんです」
ニールさん
「そもそもサービスを安定的に運用するだけでも一定のエンジニアが必要ですし、コインチェックで取り扱う暗号資産が増えれば増えるだけ運用コストも増えてしまいます」
飯田さん
「そうなんですよね、だからエンジニアをどんどん採用して組織全体の出力をあげていきたいです」
ニールさん
「今はなんとかこなせているんですが、絶対的に人が増えていかないと今後規模が大きくなったら厳しくなってしまいますからね」
飯田さん
「コインチェックでは四半期に一つくらいのペースで取り扱っている暗号資産を増やしていましたが、本当はもっとペースをあげていきたいんですよね」
ニールさん
「思っている以上に時間がかかりますからね……」
――具体的には、「やるべきこと」「時間のかかること」はどのような仕事が挙げられますか?
飯田さん
「新規通貨の取り扱いを始めるとホットウォレット開発グループのエンジニアが必要になります。それとは別にアプリケーション開発グループでも暗号資産の残高とブロックチェーンのデータベースを合わせて管理する必要があるなど、とにかくさまざまな運用コストが増えるんです」
ニールさん
「内因的にはそんな課題があるんですね。手の足りない外因としては暗号資産によってはどんどんアップグレードされていくものがあるんです。それに伴って私達のコストがかかってしまいますし、通貨の絶対数が増えるということはコストが増えるということでもあります」
飯田さん
「ニールさんは、NFTなどの新規事業を開発するなかで即戦力としてどれくらいのエンジニアがほしいと考えますか?」
ニールさん
「……2000人くらいですかね?」
飯田さん
「2000人!(笑) それはすごいですね!」
ニールさん
「冗談はさておき……。実情として、今の50人規模のエンジニアに加えて、さらに50人くらいは欲しいです。やることは絶えないのでたくさん優秀なエンジニアを採用したいと思っています」
飯田さん
「そうですね。100人いると結構やりたいこともバランスよく消化していけそうです」
ニールさん
「ただ、エンジニアの採用とともに他の組織も強化していかないと他が追い付かなくなりますね。私はこの業界には20数年いるのですが、規模に関係なくエンジニアの採用は難しいんです。2000人の組織でも50人の組織でも関係なく難しいという印象。加えてコインチェックはまだまだ知名度が低かったり、暗号資産のスキルがあるエンジニアがそもそも市場にいないなど課題がたくさんたくさんあります」
飯田さん
「昔からエンジニアの採用は難しいですよね。良いエンジニアは転職市場に出る前にリファラルで決まってしまうことも多い。コインチェックは情報発信がまだまだできてないと思うので“楽しさを伝える”意味でも何でもやっていきたいです。最近はCoincheck FMというPodcastも始めたので、こういうところから楽しさを伝えられたらいいですよね」
▼Coincheck FMはこちら!
ニールさん
「業界全体で見てもエンジニアは転職市場にほとんど居なくて、更にIT・通信業界のエンジニア需要が非常に高いです。技術系職種だと求人倍率が直近では10倍近く。人材を欲している会社はコインチェック以外にもたくさんあるわけです。常にたくさんの会社が募集しているため需要と供給のバランスが崩れています。こういった背景からしっかりコインチェックの魅力や楽しさを伝えていくことが大切になりそうですね」
暗号資産・ブロックチェーンの世界の面白さは、「先が見えないこと」
――お二人の考える、「暗号資産」「ブロックチェーン」の世界の面白さ、楽しさはどのようなところにありますか?
ニールさん
「せっかくならこの機会に、暗号資産やブロックチェーンの魅力についてお話したいのですが……。例えば飯田さんはこの業界を選ぶ理由や面白みはどこにあると思いますか?」
飯田さん
「“NFT”とか“WEB3.0”とかバズワードはたくさんたくさんありますよね。ただ実情としては、新規性が高いことは法規制が明確でない部分があったり、ハードフォークが発生したりと不確実性が高いため、苦労することもあります。でもそのような不確実性が高い状況のなかで、チームで協力して、ユーザー体験が良いプロダクトを提供できたり、ユーザーにとって新しい体験を提供できたりするのは非常にやりがいがあります。それこそが暗号資産やブロックチェーンの世界の楽しさですし、他にはない特色だと思います」
ニールさん
「そうですね。完全に正解がないというのは珍しい状態です。例えばコマースサイトをやります、となれば、どんなに業界が変わっていっても何かしらの情報は必ず出てきます。一方暗号資産の世界では、問題があったとしても誰も情報を出していなかったり記事になったりしていないことも多々あります。何かあったら自ら考えなくてはいけないというのは飯田さんの言う通り大変ですが、それこそがやりがいだと感じています。……ところで飯田さんはどんなきっかけでこの業界に興味を持たれたんですか?」
飯田さん
「私自身がこの業界に参入したきっかけは、コインチェックに入る少し前から暗号資産の市場に可能性をとても感じていたことですね。当時の暗号資産は今以上に発展途上のものが多くて、どうなっていくのかが全然読めなかったんです。そこも含めてわくわく感を感じていました。「わかっているもの」より「わからないもの」の方が好きなんです。そんな風に興味をひかれていたタイミングでコインチェックからスカウトがきてすぐに面接をしました。ニールさんはいかがですか?」
ニールさん
「私は前職がインフラ寄りだったので、もっと新しい事をしたいなと思っていたんです。AIやブロックチェーンの面白い会社がないかなと探していました。その矢先にコインチェックに暗号資産取引市場のエンジニアリングマネジメントのポジションがあります、と声をかけて頂いたわけです」
――では、業界としてではなく“暗号資産”というものの面白みはどのようなところにあると考えていますか?
ニールさん
「普通の通貨は基本的には国がその価値を保証していて、供給量を管理しているのも国です。一方、ビットコインなどの暗号資産はプログラムによって供給量が決まっていて基本的には誰もそれを変更や修正することができません。政治的な介入を受けず、どこの国にも依存しない通貨というコンセプトがまずすごく面白いですよね。今後どうなっていくかはわかりませんが世界でもかなり重要な位置づけになって来る可能性も十分にあります。今の暗号資産の魅力という意味だと飯田さんはどんな風に考えていますか?」
飯田さん
「暗号資産を起点とした経済圏はどんどん発展しています。NFTも最初は個人の趣味や嗜好の範疇でしたが、現在はNFTコミュニティのDiscordに入る際のチケットのような使われ方をしているところが面白いです。また今年はDAO(分散型自律組織)という働き方が話題になっています。DAOに特化したツールを作る会社やプロジェクトもでてきました。これも、最初の暗号資産やブロックチェーン技術からは予想もしなかった世の中の動きです。今の働き方と完全に置き換わることはないかもしれませんが、これからも広がりを見せてくるには違いないと思っているんです」
ニールさん
「想像もつかなかったことが起きる、何が起きるか分からないのはやはり面白いですよね。こういう業界が盛り上がってくると、残念ながら“はずれ”も出てきます。もしかしたらDAOは上手くいかないかもしれない。もしかしたら暗号資産に厳しい法的制限がかかってしまうかもしれない。でも、エルサルバドルなど自国通貨が安定していない国では、国が制御できない通貨という特徴が注目を浴び、ビットコインの使用が推奨され始めています。こういう選択は2022年も増えていくと思いますし、グローバルで面白い展開が見込めますよね」
次回、後編ではニールさん・飯田さんのお二人にブロックチェーン技術の面白さについてさらに深く語っていただきます。